高性能「ドローン」を支える町工場の技術

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 災害の調査や物資の運搬などに活用される小型無人機「」の製造を鹿沼市の町工場が支えている。

 無線操縦ヘリの趣味が高じて研究を重ね、大学や企業からの様々な注文に応じてオーダーメイドできるのが強みで、東京電力福島第一原発事故の調査にも機体が使用されている。6月には国土交通省の操縦技術を競う大会で優勝し、今後は国交省の調査研究にも協力する。

 鹿沼市ののどかな住宅地にある五百部いよべ商事社長の五百部達也さん(52)(宇都宮市西川田)は中学生の時にお年玉で無線操縦ヘリを入手して以来、のめり込み、操縦技術の世界大会で準優勝した経歴を持つ。

 無線操縦ヘリメーカーに勤務した後、24歳で父親が経営する五百部商事に入社し、ヘリ部門を設けた。2009年、四国電力の研究機関から製造を依頼されたのを機にドローンの製造を始めた。

 オリジナルで部品を製造し、速度の出るものや重い荷物を運べるものなど、用途に応じた飛行性能や形状を製造できるほか、軽くて頑丈なジュラルミンの部品の使用によって、耐久性が高いのも強みだ。

 趣味で使用される海外製に比べ高価だが、こうしたオーダーメイドや高品質が評価され、現在は4人の従業員と一緒に月60~70機を製造。全国から舞い込む注文を全て受けきれないのが現状だ。手のひらに収まるサイズから、幅約2メートル、最大積載量約20キロのものまでこれまでに50種超を製造した。

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 五百部さんによると、福島第一原発での調査のほか、空撮によるインフラ点検や測量、農薬散布などで活用されているという。

 国内のドローン研究の第一人者の野波健蔵・千葉大特別教授が設立した「自律制御システム研究所」(千葉市)や、高品質なドローンを量産している「菊池製作所」(東京都)にも製品を提供している。

 野波氏は「目的に合った仕様を発注すると、その通りに納めてくれる。日本のトップレベルのラジコンエンジニア」と称賛する。同製作所の菊池功社長は「五百部さん抜きに量産は難しい」と信頼を寄せる。

 五百部さんは6月に国交省東北地方整備局などが開いたドローン操縦技術の大会を制した。同整備局は今後、土砂崩れや雪崩などの災害調査で、五百部さんらと協定を結び協力を仰ぐ。

 「ドローンの可能性は無限大」と語り、自らも空撮で地形を図面化する事業を始める方針だ。ただ、数百ある部品は寿命が短いものもあり、一つでも壊れれば落ちる危険性もある。五百部さんは「飛行規制や、扱う人への知識の周知も必要だ」と指摘している。

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