「ドローン」航空法で規制 民間企業の利用急増、事故や軍事転用を懸念

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政府は25日、航空法を改正して無人飛行型ロボット(無人機)の運用を規制する方針を固めた。航空法では現在、航空機の定義を「人が乗っていること」としており、無人機に関する細かい規制はない。ただ、災害対策や農薬散布などで無人機を利用した事業を展開する民間企業が増えており、具体的な運用ルールを設けて安全性の確保を図る。このほか、電波法や不正アクセス禁止法など無人機の運用に関連する法律の見直しについても、来年1月に政府が開く「ロボット革命実現会議」で方向性を示す。

画像米アマゾン・コムは無人機を使った宅配システムの実用化に向け、実験を重ねている(同社提供)

航空法では、ラジコンについて「(航空機の)飛行に影響を及ぼす恐れのある行為」を除けば、自由に飛ばせられるとされ、無人機も基本的には同様の扱いとなっている。空港周辺など航空交通管制圏を除けば地上から250メートルまで、航空路内でも地上から150メートルまでの高さであれば、届け出や申請をせずに飛ばすことが可能だ。

国内では東日本大震災以降、無人飛行型ロボットを使った災害対策などの事業に参入する企業が急増しており、既に数千機の無人機が使われているという。

例えば、綜合警備保障(ALSOK)は「ドローン」と呼ばれる無人の小型飛行機を活用し、10月から大規模太陽光発電所(メガソーラー)の定期点検サービスを始めている。また、米国ではアマゾン・コムがドローンと衛星利用測位システム(GPS)と組み合わせた荷物の宅配事業の実証実験に取り組んでおり、今後は国内外で無人機関連のビジネスが拡大すると見込まれている。

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現在のところ大きなトラブルなどは顕在化していないものの「このままでは無人機同士の接触事故や部品などの脱落による事故、プライバシー侵害や軍事転用、商品や無人機そのものの盗難が起きる」(政府関係者)と指摘されている。航空法の改正では、無人機に認める飛行空域や高度などの細かい運用ルールが盛り込まれる見込みだ。

ただ、安倍晋三政権は成長戦略の柱の一つにロボットによる「新たな産業革命」を掲げており、政府関係者は「ルール作りではロボットや無人機による事業機会を大幅に奪わないように配慮する」としている。

政府は、ロボットの開発と利用拡大に向けた戦略を練る「ロボット革命実現会議」で、2019年度までの5年間の実行計画案を発表し、ロボットに関わる法整備の方向性や論点を打ち出す予定。具体的には、ロボットの遠隔操作に関わる電波法や不正アクセス禁止法の改正、医療現場でロボット技術の導入を促進するための規制緩和など約10項目で、15年度から議論を本格化させる。

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